2018年04月27日

建設事業主等に対する助成金

森本です。

雇用関係の助成金には様々な種類がありますが、建設業に関しては、昨今の情勢から人材確保の必要性が高いとされ、「建設業に限り利用可能な助成金」がいくつかあります。

昨年までは「建設労働者確保育成助成金」と呼ばれていましたが、平成30年度の改正で変更がありましたのでご紹介します。

 

まず、「建設労働者確保育成助成金」という名称としては廃止になりました。内訳の各コースが、既存・新設の別の助成金に統合された他、一部コースは廃止になってもいます。

統合された助成金は、従前と基本的に同じ利用方法ですが、支給額・率が変わっているものがありますので、あらかじめパンフレット等をご確認ください。

【改正リーフレット】

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/30annai.pdf

【厚労省サイト】

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kensetsu-kouwan/kensetsu-kaizen.html

 

建設業に限った話ではありませんが、人手不足のおり、採用を拡大したい、しっかり育成して長く働いてもらいたいというお声をよくうかがいます。そういった施策を予定される場合には、助成金が利用できるケースが多いので、ぜひともご検討いただければと思います。

今回は、平成30年度に利用可能なもののうち、比較的利用しやすいと思われるものに絞ってご紹介します。

 

@未経験でも可、「若年者又は女性労働者」を積極的に雇用したい!

トライアル雇用助成金「若年・女性建設労働者トライアルコース」

トライアル雇用助成金(4万円×3ヶ月分)に上乗せ(4万円×3ヶ月分)支給される助成金です。対象となる労働者は、女性または35歳未満の男性労働者です。申請が比較的容易であるわりに、総額24万円の受給ができるため、お勧めです。

トライアル雇用助成金支給申請後に、申請書の写しを添えて本コースの支給申請を追加で行います。

トライアル雇用助成金はあらかじめハローワークにその旨を示して求人を出し、そこから応募してもらう必要がありますので、ご注意ください。

トライアル雇用助成金の概要はこちらをご覧ください

 

A現場で必要になる資格等の技能講習や特別教育を受けさせる費用を補助してほしい!

人材開発支援助成金「建設労働者技能実習コース」

・安全衛生法に基づく教習及び技能講習や特別教育

・能開法に規定する技能検定試験のための事前講習

・建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習など

の受講に係る経費の45%〜最大90%が助成されます。また、受講時間に係る賃金助成として、日額6,650円〜最大9,600円が支給されます。

技能実習の経費を全額会社負担とし、かつ「労働時間内として」に受講させる(=賃金を払う)必要があります。

各技能実習開始の1週間前までに計画届を提出し、実習実施後2ヶ月以内に支給申請を行います。

 

この他にも次のような場合には助成金が利用可能です。詳細はお気軽にお問い合わせください。

・人事賃金制度を新たに整備して定着を図りたい

・登録基幹技能者の給与水準を上げて定着を図りたい

・若年者や女性労働者を積極的に活用するため、重点的な施策を実施したい

・女性労働者活躍のため、女性専用の作業員宿舎を現場に整備したい

・正社員に対し、計画的に訓練や研修を受けさせて技能向上を図りたい

2018年02月23日

店長さんを育成していきませんか?

社労士法人ハーモニー山崎です。

今月は、飲食店や小売店など、人数は10名未満で複数、多店舗展開をしている企業向け。いつも現場で話をしている『店長育成研修のすすめ』のお話になります。

 

店長さんを育成していきませんか。

最近、頻発する労務トラブルのご相談案件を思うと、その想いが強くあります。

 

1店舗経営の強いところは、経営者と社員の距離の近さ。

想いの熱さがすぐに伝わり、特に意識しなくても労務管理の知識やテクニックを超えたところで、トラブルが生じづらい点にあります。

「大変なのは私だけではない」「あんなにリーダーが頑張っているなら、もう少し我慢しよう」という気持ちがお互い様の助け合いにつながり、大きなトラブルも小さく、小さなトラブルも未然に防げるのです。

 

それが、多店舗展開をしていくと、ヒトとヒトのつながりが薄れ、経営者と社員に目に見えない壁のようなものができ、社員ひとりで抱える愚痴も増えていきます。

「仕事がうまくいかないなぁ」「経営者、店長は忙しそうで、直接相談できないなぁ」「自分の店舗とあっちの店舗は何が違うのか、気になるなぁ」

その愚痴の蓄積が、労務管理上の問題で次のような質問等となり、顕在化してきます。

 

『○○さんの指導は人間性の否定もあり、キツすぎる。パワハラではないか』

『始業時間前の掃除、終業時間後の掃除は労働時間ではないか』

『働き始めてから半年たつが、有給休暇は何日あるか』

 

最近いただく、労務管理に関する細かなお問い合わせには、特に罪もないものが少なくありません。

私たち専門家も「なるほど」と納得する言い分もありますが、そもそも労務管理の問題を法律論だけで白黒つけることは難しかったりします。

 

そこで店長さんを育成することを強く提案したいのです。我々が研修でお役に立ちます!

経営者そのものではないにしても、現場において経営者に最も近いと言える存在である「店長さん」…店舗の数だけ、そこで働く社員がつぶやく会社の不満をしっかり聞ける人としての、「店長さん」をしっかり育成していきたいものです。

 

店長さんと言っても、経営者ほど、事業に熱い思いをもてなかったり、働く労働者と年齢が近かったり、経験がさほど変わらなかったり、人に強く物を言えない人もいるでしょう。そのために育成の視点で、会社は研修を通じて次の3つの点でフォローをしていきます。

 

@会社の想い、会社の夢を伝える(経営者からぜひ!)

A働く皆さんの労働条件等の基本事項を知る(自分の権利も知りたいでしょうから、会社は惜しみなく、守ってあげていることを伝えてください。まずは身内の店長さんからです)

B働く皆さんがお互いの権利を配慮しながら、お店をうまく回す方法を考える。(ポイントは権利の有無ではなく、使い方です。周りに迷惑をかけない気持ちを持たせることです)

 

会社の課題は100社あれば100通り。研修内容は個別にアレンジ致します。

詳細はハーモニーの担当にご相談ください。

2018年01月26日

保育園・認定こども園の処遇改善等加算

こんにちは、伊藤です。

今月は幼稚園・保育園に関する話題をお届けします。

 

平成25年(2013年)4月に待機児童解消加速化プランが打ち出され、平成28年3月までに30万人の保育の受け皿が整備されました。ついで平成28年末の緊急対策で、平成29年度末(2017年度)までの保育の受け皿整備量が50万人分に上積されたところです。

最近、駅付近のマンションの1階などに保育園が増えたなあ、と実感されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

保育士数も平成25年度から平成27年度の3年間で42.1万人から48.0万人に増え、また年収も賃金改善のため給付される処遇改善加算T等により、310万円から323万円に増えています。

 賃金改善は保育士の確保にプラスに働きましたが、事業所で気を付けなければならないことをお伝えします。

処遇改善加算Tは一時金(賞与)で支払うことも可能でしたが、処遇改善加算Uは毎月の給与で支払うように決められました。また各自治体で取り組む保育士の給与改善も、月額給与に上乗せして支払うように決められています。

【注意点@ 残業単価の見直し】

 毎月の給与に上乗せ方法で、新たな諸手当として支払う場合、時間外労働に支払う残業単価の計算にそれらの諸手当も含めて計算する必要があります。給与計算ソフトなどで自動計算している場合は、計算式の見直しや残業単価計算に含める支給項目となっているか確認が必要です。

 また、上乗せ額を仮に3万円とすると、残業単価は200円以上あがることになり、前月までと同じ時間の残業時間でも、支払額が多くなり、事業所の負担となります。保育士を確保できず、残業時間が多くなるような場合は、予想を超える人件費がかかることになるかもしれません。

【注意点A 社会保険料(私学共済掛金)の改訂】

 上乗せ分は毎月、定期的に支払われることから固定的賃金となり、支払い月から3か月の給与支払い平均が、それまでの標準報酬と2等級以上差がある場合は社会保険(私学共済)の月額変更手続きが必要です。手続き後の社会保険料は以前より当然増えるので、本人の負担も事業所の負担も増えます。

 月額変更届がもれていて、社会保険事務所などの調査で指摘されると、遡って社会保険料を訂正する必要があり、差額の保険料を本人からも徴収することとなって、思わぬ負担を感じさせる事になりかねないので適正に手続きをしましょう。

2017年12月08日

自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導・送検等の状況

こんにちは、岡本です。
今月は運送業に関する話題をお届けいたします。

厚生労働省は毎年一回定期に『自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況』を公表しています。

これは、その公表年度の前年一年間において、全国の労働基準監督機関が運送業を営む事業主に対し行った【監督実施件数】や【労働基準関係法令の違反が見受けられた事業場数】などをまとめた統計資料であり、平成25年より一般公表されるようになりました。

このような1つの業界にスポットを当てた監督指導・送検等の状況が公表されているのはあまり例がなく、平成29年現在、運送業ただ1つだけです。

「なぜ、運送業だけが?」

と思われるかもしれませんが、これは自動車運転者が依然として長時間労働の実態にあり、脳・心臓疾患の労災認定件数が最も多い職種であることに起因しています。

自動車運転者の労働時間管理は、労働基準法における原則的な労働時間法令がそのまま適用されるわけではなく、厚生労働省告示の「自動車運転者の労働時間等の改善の為の基準(通称:改善基準告示)」によることとされています。ただし、法令と現実の乖離があまりに大きすぎるが故に、改善基準告示の重要ポイントを正確に理解できていない会社が多く、身体に影響が出てしまうほどの長時間労働や無理な連続運転を行っているケースが後を絶ちません。

実際に、平成29年8月に公表された最新の統計(平成28年度分)では、監督実施事業場数4381件中、労働時間に対する違反は2434件(55.6%)となっており、半数以上の事業場で労働時間に関する違反が発生しています。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000174348.pdf

労働基準監督機関が違反を認識した場合、原則として是正指導が行われることになりますが、昨今、企業規模が大きかったり、悪質とみなされた場合はすぐさま企業名が公表されるなど、後の経営に大きく影響を及ぼす措置がとられることもあります。

大ごとになる前に自主的な改善に取り組むのが何よりの対策と言えるでしょう。

2017年11月22日

建設業の社保未加入問題のその後

森本です。

私からは建設業関連の話題をお送りしていきたいと思います。 

建設業の労務管理に関して、ここ最近のテーマのひとつが「社保未加入問題」でした。

平成26年8月以後、国交省、厚労省が連携して加入指導を徹底したため、未加入事業所の加入が大幅に進んだようです(ハーモニーにも多数のご依頼がありました)。

統計によると、26年8月の適用事業所数が1,827,385、直近資料によると29年6月で2,148,062となっています。

この数字は建設業だけのものではありませんが、国内の総事業所数は漸減しているという状況で、やはり加入指導の効果が相当にあったものと考えられます。

 

さて、新規の社保加入についてご依頼、ご相談をいただく中で、特に建設業を中心に、制度についての誤解?とも思われる定番のご質問がありましたので、少し触れてみたいと思います。 

○さかのぼって過去の保険料まで徴収されるのではないか

…そのようなことはありません。確かに、過去から加入すべきであったし、保険料負担もすべきであったものですが、年金事務所がそれを求めることは、実務上ありません。(ただし、度重なる加入勧奨を無視し、悪質な加入逃れであると判断された場合はわかりません)

○保険料天引きにより手取りが減ってしまうのではないか

…特に中小規模の建設業で働く方の中には、「手取り」の額を重視する方が少なくないようです。家族構成(扶養の状況)にもよりますが、じつは社会保険料の天引き額も、国民健康保険・国民年金保険料の額も、負担としてはそう大きくは変わらない(場合により社保の方が負担が少ない)のです。従業員様への説明に、具体的な数字でお示しすると納得していただけることも多いです。
中には国民年金を未納とする前提で考えている方もおられ、その場合は比較のしようがないのですが…。

○国民健康保険でも一緒だから問題ないのではないか

…確かに、窓口の3割負担や高額療養費制度等は共通です。しかし、社会保険なら、病気等で働けない場合の所得補償(傷病手当金)があることや、万一の場合に基礎年金だけでなく厚生年金も受給できる等、もしもの時の違いが大きいことは、意外に知られていません。

 

などなど。

また、「とにかく社会保険に入ればOK」と手続きをしたものの、

・保険料率の改定等を反映していない

・算定基礎届等の定例の手続きをしていない

といったケースも耳にします。 

社会保険加入は、入った時からが新たなスタートです。困った事態になる前に、役所にお問い合わせいただくか、ぜひ私どもにご相談いただければと思います。

2017年10月05日

職場のパワハラ問題、大丈夫ですか

こんにちは、山崎です。今日は医療業界について話をいたします。

最近、パワハラに対する意識が高まったせいか、私達にご相談頂く件数が急激に増えているように思えます。実際、『いじめ・嫌がらせ』は平成28年度の個別労働紛争で一番多い相談でもあります。

そんな院内で起きたパワハラ対応の重要な問題は、パワハラを受けても、まだまだ個人の問題とされることが多く、職場内でどうやって対応していけばいいのか、具体的なノウハウがないことです。

また、生命を左右するような急変時や緊急時に医師や先輩から社会性を欠く言動を受けたとしても、安全管理上の問題と受け止められ、パワハラとして取り上げられにくいという、医療業ならではの特殊な実情もあります。

医療の現場は特に職種・肩書きによる上下の身分関係がはっきりしていると言われています。部下や後輩に対して行う業務上の「指導」が過剰になり、ついつい言い過ぎてしまうということは誰にでも起こり得ることなのではないでしょうか。

業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を相手に与える行為はパワハラと見なされるリスクもあります。

医療の現場での技術向上・知識習得とは別に、指導方法等、管理者マネジメントの教育も必然の時代になったのかもしれません。

職場内でのパワハラは誰もが当事者になり得る問題であり、パワハラ対策を効果的に進めていく上で、どういった行為がパワハラなのかを理解することが必要です。

先ほど挙げた、管理者マネジメントの教育と合わせ、1年に1回は最低、社内研修等を実施することを強くお勧めします。

最後に研修担当者に情報共有です。最近更新された、厚生労働省作成『パワーハラスメント対策導入マニュアル(第2版)』をご紹介します。

特に7ページのパワハラの行動類型、9ページ以降の裁判例はご一読いただく価値があります。

https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/pdf/pwhr2017_manual.pdf

 

ご相談があれば、ぜひ、ハーモニーまでご連絡下さい。

(山崎)

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